加藤朋子のウェブサイト



檸檬(れもん)のページ


 私は色々なところに檸檬という名前を登場させています。ピアノの発表会は檸檬の会。椅子を並べて、海外のピアニストや、桐朋時代の先生を呼んで、レクチャーしていただいたりするレッスンルームを「スタジオ檸檬の木」と名づけています。過去にウィーン在住のチェリストやロシア人で日本在住のお人形のように可愛いピアニストを招いてサロンコンサートをしたり、ピアノの生徒を集めて勉強会するなど。最近では、私が僭越ながら代表を務める合唱団「コール・ミレニアム」の別練として、ヴォイストレーナーの先生と、合唱団の補習練習会などをしています。

 名前の由来は、檸檬の木が表の植え込みにあるので、ちょっと気取って「スタジオ檸檬の木」としました。でも近くで新築の家の売り出し用チラシの地図にちゃんと 「スタジオ檸檬の木」が載っていたのには驚いたことがあります。
確かにお店が一軒もない住宅街ですからね。でもそれを目安に訪れた方は、「なんだ普通の家か」とぼやかれているのを耳にしたことがあります。そうです、その通りです。ただの自己満足に過ぎませんね。青虫がよくつくしょぼい檸檬の木があるだけの家です。

 檸檬(れもん)というのは屋号?レッスン教室名?いや、分身のようなもの?ある方から普通の会話でれもんサンと呼ばるようになったり、ミレニアムの会報にペンネーム蘭(あららぎ)檸檬という名前で投稿したりしています。なぜあららぎかは後ほどお知らせすることにして、檸檬という漢字に私は魅力を感じています。「薔薇」や「麒麟」「瑠璃」という漢字も好きですが、日本人であることを瞬間楽しんでいるかのよう。
 檸檬という言葉で思い出すのは、私が天才作家と思っている梶井基次郎の『檸檬』と、その昔、国語の時間に教わった高村光太郎の『智恵子抄』です。ちょっと思い出して載せてみます。